グッピーは基本的なことに注意して飼育するだけでもかなり長生きします。そのため特別なことを行わなくても、基本的な飼育方法を理解していれば観賞魚として水槽内を華やかにしてくれます。飼育にあたってまず気をつけるべきことは水槽内の水です。熱帯魚であるこの魚が好む水温は22度から28度です。そのためこの水温をキープできるよう、水温計を定期的に確認します。寒い冬場には水温が下がることが多々あります。
そのため冬場は水温計をこまめにチェックし、水温が低いときはヒーターで水を温める必要があります。
また水質維持もグッピーを長生きさせるために欠かすことができません。そのためきちんとしたろ過設備を設ける必要があります。水槽内の水にはグッピーの糞やエサの食べ残しが舞っています。これらをろ過装置で除去する必要があります。ろ過装置はペットショップなどで販売されていますので、それらを用いることができます。
またグッピーはストレスを感じることがあります。これらを緩和させるために水草を水槽内に入れることができます。大きな魚が小さな魚をいじめることはよくありますが、このような水草は小さな魚の隠れ家になります。そのためいじめによるストレスを緩和させるためには水草が効果的です。
水質をグッピーが生息するにふさわしい状態に保ち、長生きさせるためには水槽の大きさと魚の数を考慮しなければなりません。小さな水槽にたくさんの魚を入れると水質が悪化してしまいます。これにはきちんとした理由があります。
水質はろ過装置と物理ろ過によってふさわしい状態に保たれます。ろ過装置は水槽内の糞やエサの食べ残しをフィルターを通して除去してくれます。しかしろ過装置では処理しきれない小さなものは水槽内のバクテリアが分解してくれるわけです。これを物質ろ過といいます。
しかし小さな水槽にたくさんの魚がいると糞やエサの食べ残しも多くなり、バクテリアがそれらを分解するスピードが追いつきません。そのため水質が悪化してしまうのです。このことをきちんと理解し、小さな水槽にグッピーをはじめたくさんの魚を入れて飼育することを避ける必要があります。
もちろん性能のよいろ過装置が販売されており、そのようなものを用いれば小さな水槽で多くの魚を飼育することも可能ですが、このような場合はろ過装置の性能に関するきちんとした理解を得ておくべきです。目安としてはグッピーの成魚1匹につき体積が3リットル必要であるといわれていますので、飼育の際はこれを目安にすることができます。
水質を良好な状態に保つためには物質ろ過の環境を整える必要があります。少し時間がかかるものの、グッピーが長生きする物質ろ過が可能な水環境を作ることができます。まず、テストフィッシュと呼ばれる魚を用意します。この場合価格の安いグッピーがそれに相当します。柄の入ったきれいなものや尾がヒラヒラしたものは価格が高いために、原色のものがふさわしいでしょう。
このテストフィッシュを水槽内に入れて飼育します。飼育方法は一般的なものと同様で、水温をふさわしく保ち、やろ過装置を用いて水槽内の水をきれいにします。しかしこの時点では水槽内の水に物質ろ過を行ってくれるバクテリアは数多く存在していません。バクテリアを増やすためには熱帯魚の糞や食べ残しのエサのかけらが必要です。
これらをバクテリアに与えるために、テストフィッシュを飼育するのです。このまま約50日間、テストフィッシュを水槽に入れて世話をします。50日後には物質ろ過を十分に行えるバクテリアの数が整いますので、水槽に新たなグッピーを入れます。バクテリアが増えれば水槽内のゴミを食べてくれるヤマトヌマエビなどを入れても問題はありません。少し時間がかかるものの、このような方法で水質をふさわしい状態に作り上げることができます。