レイアウトの基本は水槽内を均一にしないこと
水槽に水草を植える場合、見た目だけでなく飼育しているアクアにとって住みやすく快適なレイアウトかどうかを考えなければいけません。見た目の美しさばかりを重視して水草を植えてしまうと、人間にとっては素晴らしい景色が完成したとしてもアクアにとっては住みにくい環境になってしまう恐れがあります。せっかくの水草がアクアの健康を害してしまっては本末転倒ですから、アクアの住みやすさ、暮らしやすさを考えたレイアウトを心がけましょう。
アクアにとって住みやすい水草の配置を考えるうえで重要なのは、すべてを均一にしてしまわないことです。均一に整った水草の様子は見た目は美しいものですが、自然の風景とはかけ離れたものになってしまいます。自由にアクアが泳げる広いスペースと水草が密集してアクアが落ち着いて隠れられるスペースを水槽内に設けることでより自然の風景に近い配置が実現し、アクアにとって暮らしやすい環境が出来上がります。
最も簡単な方法としては、底砂に傾斜をつけるという方法があります。底砂に傾斜をつけることで全体のバランスを崩し、より自然に近い環境が出来上がります。片側に砂山、もう片側は広い砂地というように人工的に砂底に差を設けておけば、水草を植えただけで自然の風景に近いバランスで全体がまとまってアクアにとって暮らしやすい環境が再現できます。全体のビジュアルにも動きが生まれ、見た目も美しくアクアが住みやすい理想的な水槽レイアウトが実現します。
高さを考えたレイアウトで美しい水槽をつくる
水槽内の水草というのは人間にとっては美しさを表現するものですが、アクアにとっては住処や隠れ家として機能する重要なものです。水草を植えるときは見た目の美しさばかりにとらわれず、アクアの気持ちになって活用しやすいようにレイアウトを考える必要があります。
アクアの様子を観察していると、落ち着きたいときや眠りたいときは水草の陰に隠れてじっとしていることがわかります。アクアの数に応じて適切な水草の数が無いと水草に隠れられないアクアが出てしまい、ストレスがたまりやすくなってしまいます。水草はアクアにとってのベッドや住居としても機能するものですから、ある程度の数を植えてやらないとアクアが住みにくい環境になってしまいます。
ただし、アクアのためにと水草をたくさん植えてしまうと今度は水草ばかりでアクアの姿が見えなくなってしまいます。せっかくのアクアリウムなのにアクアが楽しめなくては意味がありません。水草を植えるときは眺める方向を意識して、ちゃんとアクアの姿が楽しめるようなレイアウトを考えなくてはいけません。
基本的な植え方としては背の高い水草を奥に、背の低い水草を手前に植えます。背の高い水草を手前に植えてしまうとそれだけで水槽がいっぱいになってしまいアクアが隠れてしまいます。背の高さの異なる水草を前後にレイアウトすることで水槽に奥行きが生まれ、実際よりも広く見える効果も期待できます。
多様な水草で水槽をレイアウトする
水槽に水草を植えるときは、なるべく多様な種類を植えるようにしましょう。一種類の水草のみだとどんなにレイアウトを工夫したとしても景色が単調になるのは避けられません。背の高い水草や低い水草、細い水草や葉の広い水草など多様な水草を取り混ぜてレイアウトすることで水中風景はより多彩な広がりを見せてくれます。
多様な水草を植えるときは、なるべく似ていない種類同士を隣り合わせに植えましょう。隣同士違う種類の水草を植えることでメリハリが生まれ、全体の印象がシャープなものになります。似たような種類の水草を近くに植えてしまうと印象がぼやけ、せっかく多様な水草を植えても効果が半減してしまいます。
アクアの住みやすさを考慮するならば、より自然に近い風景を再現する必要があります。そこでオススメなのが石に活着して生育する水草を植える方法です。水草を植えるとき普通は底砂に植えて固定しますが、活着して生育する水草はアクアリウム用の石に巻きつけるような形で固定しておけば元気に成長してくれます。
石を入れることで水槽内の景色に多様性が生まれると同時により自然に近い風景が再現できますから、アクアにとっても住みやすい環境になります。
アクアリウム用の石以外にも流木や置物など、様々なものに水草を固定することができます。より多彩なレイアウトが選べるようになり影になる場所ができてアクアが休める場所も増えますから、アクアにとっても人間にとってもより快適な水槽ができあがります。
