コリドラスとは

熱帯魚飼育も温度管理や濾過機器の進化もあって、素人でも簡単に飼える時代です。
そんな美しい熱帯魚が泳ぐ下で、底面の砂地にいて余り動かない魚を見たことは無いでしょうか。
少々愛嬌のある顔をしている魚はコリドラスといい、熱帯地方に住むカリクティス科目の６~10cmほどの小型のナマズの仲間です。

 

熱帯魚水槽をやっていると、どうしても与えた餌が残ってしまうことがあります。
残った餌はやがて沈み底砂に貯まってしまい、そのままでは残った餌が腐敗して水を汚してしまう事になります。
そんな残りエサを掃除してくれるとして入れられるのが、スカベンジャー（掃除屋）と呼ばれるコリドラスです。

 

その名前はギリシャ語で「ヘルメットのような皮膚」という意味があり、触ってみると非情に硬い鱗板で覆われています。
又、その種類も多く、記載されていない種類を含めると200種以上いるともいわれています。
南米に多く見られる種類ですが、熱帯魚店で売られているもののほとんどは東南アジアで養殖されたもので、よく見られるには赤コリと呼ばれる「アエネウス」、青コリと呼ばれる「パレアタス」などが安価で一般的です。

 

普段は砂地の底で余り動くことはありませんが、愛嬌のある顔と時折泳ぐ姿を好みコリドラスだけの水槽を作る人も見られます。

 

 

 

コリドラスの種類　

コリドラスは安価なものでは、東南アジアなどで養殖されている赤コリ（アエネウス）や、青コリ（パレアタス）、アルビノの白コリなどがよく見られます。
その種類は多いですが、そのカラーとしてはアルビノ以外では赤茶系や青黒系で、その模様の濃淡や帯状に入ったもの、斑点模様のバリエーションがほとんどです。

 

茶系ではアエネウス・ゴッセイ・アルマートゥス・エクウス・ネネズエラオレンジ・デビットサンズィなど。
青黒系ではパレアタス・レイノルジー・マダラ系ではジュリイ・ステルバイ・バンクなどがいます。
色的に珍しいものでは、イルミナティーグリーンやゴールドといったものが見られ、その他には、小型のピグマエウスやハステータス、ヒレの長いパンダロングフィンといったものが見られます。

 

値段は安いものでは数百円から、高いものとなると数千円以上、珍しいものは数万円というものも見られるようです。
繁殖が容易な種類もあって、知らぬ間に産卵していたり自宅で繁殖させている人も見られます。
又、通常は１~２匹で飼う事が多いですが、群れになるとそれに合わせた行動を取る様になるといいます。

 

掃除屋としての目的以外にも、その愛嬌のある姿で水槽のマスコット的な存在でもあるコリドラスであり、熱帯魚水槽には不可欠な魚であるといえるかもしれません。

 

 

 

コリドラスの買い方と注意

アクアリウムのお掃除役と言われるコリドラスですが、砂底に口をつけて餌を食べる姿は何とも可愛らしいものです。
しかし、その餌ですが他の魚が残した餌だけではなんとも心もとないものがあり、彼らコリドラス専用の沈下性のタブレット状の餌と言うものがあります。
最も好むのがイトミミズや赤虫も好物ですが、赤虫などは与えすぎると消化不良を起こすこともあり注意が必要です。
口ひげがある為、タブレット餌は照明を落とした後にいれてやると、他の魚に邪魔されずに餌を与える事ができます。

 

飼育上の注意としては、砂粒が大きすぎると掃除をしなくなったり、水が汚れるとそのヒゲが溶けてしまうという事もあるそうで、砂は小さめのものを使い底砂の清掃はきちんとしてやる必要があります。
水質は一般的に弱酸性が適していますが、弱酸性~弱アルカリの範囲であれば問題無いと言われており、丈夫で飼いやすい魚ですが、一旦病気になってしまうと回復するのは難しいと言われています。

 

更に、底地にいることが多くいる魚であり、水草が多すぎたりすると彼らの休まる場所がありません。
又、ナマズの仲間ということもあってか振動を嫌い、人の視線も嫌がると言います。
その為に、彼らが隠れて休める流木や、素焼きの土管のようなものを沈めて置いてやるといいでしょう。