熱帯魚に興味がない方でも一度は目にしたことがあるディスカスは、体調が約15㎝で円盤

 

状であり、本来生息域でも水流があまりないことからゆっくりと泳ぎ、観賞用に適している熱帯魚と言われています。ディスカスという名前も円盤を意味するDiscから来ているといわれており、円盤の形でゆっくりと泳ぐ様子から、熱帯魚の王様とも呼ばれています。
ディスカスは中国語では七彩魚と呼ばれており、そのいわれとしては七色に変化する魚という意味がつけられるほどに、色彩が豊富な種類です。野生種だけではなく改良品種もいるために、彩が様々な個体があり、さらにそれが成長と共に変化していくことで観賞用に適している点の一つにもなっています。
野生種はアマゾン河で泳いでいるものを捕獲し輸入したものを指し、ワイルドディスカスや原種ディスカスと呼ばれています。これらもさらにアマゾン河のどこで捕獲したかによって、グリーン、ヘッケル、ブラウン、ブルーの4種類に分類することができます。
原種を交配して生まれたのが改良品種したターコイズと呼ばれるものになり、世界各国にブリーダーがいると言われています。これも個体の模様や彩によって、ブルー系、スポット系、ライン系、パール系、ソリッド系と大きく５つに分類することができます。

 

 

ディスカスの魅力の一つに、他の魚類とは異なる独特の繁殖があげられます。まず雄雌のペアとなると、お互いを見つめあうようなしぐさをすることがみられます。それだけでも、ペアの絆の深さを知ることができる機会となります。
産卵後はメスだけではなく、オスも卵を守る行動をとります。さらに新鮮な水が卵に回るように胸ビレを使って、絶え間なく卵に水と共に愛情を注いでいる様は感動する場面とも言われています。この行動をオスとメスが交互にこのとることも特徴の一つで、オスメスの絆の深さをさらに感じられる機会となります。
産卵後数日で孵化し稚魚がオスメスの周囲を泳ぎ回ります。この時期になるとオスメスともにディスカスミルクという粘液の分泌物をだし、稚魚はこのディスカスミルクから栄養をもらい成長します。ディスカスミルクによって両親が水槽内を泳ぐ際は稚魚を引き連れて、家族そろって優雅に泳いでいる様はとても美しいです。稚魚がおよそ5㎝程度になるまでは、両親と共に泳ぎ回る光景をみることができます。
また、ディスカスは中国では七彩魚と呼ばれるほど、色とりどりの個体が美しい熱帯魚です。その個体がペアとなり、稚魚にどのような美しい模様が引き継がれて生まれるのかという楽しみもあります。

 

 

 

ディスカスはアマゾン河に生息しており、アマゾン河の上流、中流、下流、支流のどこで捕獲されるかによって、個体の色彩や模様が変わってきます。おおよそ4つの地域に分別されており、4つの特徴が挙げられていますが、それぞれが繋がっているために、その地域で捕獲されていても、特徴に合わない個体もいることが原生種の魅力にもなっています。
アマゾン河の上流域で生息しているのは黄色い体に赤い斑点があることが特徴のグリーン・ディスカスです。中流域に生息しているのが薄黄緑色に青いラインが特徴のブルー・ディスカスです。支流のネグロ河に生息しているのが、他の地域より丸く太い体型といわれており、さらに縦縞が体の中央に入っているのが特徴のヘッケル・ディスカスです。下流域で生息しているのがオレンジ色の個体に縦縞が特徴のブラウン・ディスカスです。
品種改良したディスカスもおおきく5つに分けられます。全身に青みがかかったブルー系と呼ばれるものをまず除きます。これ以外は赤系が基本となり、そこに斑点がスポット状にはいったスポット系や、横縞が入ったライン系、水玉が並んでいるようなパール系、柄が全くないソリッド系に分類することができます。