メダカって何でしょう
ペットショップや水族館、熱帯魚屋さんでみかける、あの金色だったり、銀色だったりする「メダカ」って呼ばれている小さな魚を見たことがあるでしょうか。
もしペットショップでメダカを買って、家の水槽や池で育てたら鯉や鮒みたいに大きくなったり、金魚みたいな鮮やかな色がついて華麗に泳ぎだすと思っている人もいるかもしれません。
しかし、メダカは大人になってもあの大きさのままで、一生を過ごします。
メダカの子供はペットショップで売られれているメダカより、もっと小さいので、もし家で繁殖させることが出来たら見てみてください。
メダカはアジアに生息している魚で、日本の池や川や水田などにも住んでいる淡水魚です。
メダカの別名で「オリジアス」という名があるのですが、これはギリシャ語の米が由来になっているという事です。
英語の名前はライスフィッシュと言います。
ライスはもちろんお米の意味なので、メダカと生息地である、お米を育てる水田が関係しているのかもしれません。
それとも単純にお米に形が似ているからこういう名前が付いたのかもしれません。
日本のメダカの名前の由来は「目高」から来ています。
目が身体の高い位置にあるからではないかと言われています。
そして日本でも地方によって、たくさんの「地方名」があります。ウルメやコメンジャコやザッコ、メザカやメンザやメンパチなどです。
日本中どこにでも水田がありますので、名前がついてしまうくらい各地で身近な魚なのです。
メダカの一生
メダカは春から夏頃にわたり、オスとメスが交尾をして、産卵を行います。
卵を産んだばかりのメスは、卵から出ている細い糸のようなものをお腹にくっつけたまま泳ぎます。
卵を外敵から守るためです。
そのうちに安全そうな水草に、この細い糸のようなものを利用して卵をからみつけます。
卵はだいたい10日ほどでふ化します。
赤ちゃんメダカのお腹には、栄養がつまった小さな袋がついているので、しばらくはエサを食べなくても、その袋のおかげで生きていけます。
そして袋がなくなる頃にはプランクトンや小さな虫などを食べて、大人に成長していくのです。
大きな魚や、肉食の水生昆虫などに食べられないように頑張って生き抜いたメダカに待っているのが、寒い冬です。
冬の間はメダカにとって水の温度が冷たすぎるので、池や沼の底のほうで、水草などに隠れながら、じっと春になるのを待ちます。
水の温度が低すぎる場合は冬眠し状態になることもあります。
そして春を迎えると、オスとメスは交尾して子孫を残します。
しかしたいていの自然のメダカはここで力尽きて死んでしまうので、寿命は1年だと言われています。
ただし、ペットとして飼育する場合は5年ほど生きるメダカもいるようです。
絶滅危惧種なんです…
かつては日本の水田や川や沼のいたる場所で生息していて、地方名までつけられていたメダカですが、現在は絶滅危惧種に指定されています。
それはメダカたちの環境が昔と大きく変わってしまったからなのです。
昔は川や沼そして、水田とそれをつなぐ水路などはすべて土や石など自然なもので作られていたので、メダカは自由に行き来することができました。
安全な場所で子どもを産み、成長期には食事が豊富な場所へと移動できたのです。
しかし、現在はコンクリートで作られた、メダカが行き来できない仕組みの水路が作られています。
このためメダカの生息できる場所は大きく減少してしまったのです。
更にブラックバスやブルーギルなどの元々日本にはいなかった魚たちが放流され、メダカの住んでいる環境を大きく変えてしまったことも、メダカの数が減った一因だと言われています。
そして、農薬や生活排水などによる水質悪化も大きな原因だといわれています。
水の綺麗な場所にしか住めないメダカが日本からいなくなってしまう事は、同じ日本に住むわれわれ人間にとっても、良くない事ではないでしょうか。