金魚の学名、カラッシウス・アウラトゥス(Carassius auratus)は、スウェーデンの博物学者で植物分類学の父と呼ばれていたカール・ファン・リンネが1758年に定めました。カラッシウスがフナで、アウラトゥスが黄金のという意味になり学名の直訳は黄金のフナとなります。
約1700年まの中国南部で、フナの突然変異である赤いフナが発見され、そのヒブナが金魚の祖先と言われています。フナにはいくつもの種類があり、中国のジイというフナの一種が金魚の祖先であると特定されています。
それから約200年後から今日に至るまで品種改良が引き継がれ、現在では何種類もの美しい金魚が存在しています。1502年に、中国から現在の大阪府堺市へ渡来したという記録が残っています。その後、江戸時代に入ると金魚の飼育が盛んにおこなわれ、品種改良も数多くされました。江戸末期から明治の初めには、
各種品評会が開かれるようになり、現在でもランチュウの品評会が盛んに開かれています。
江戸時代、赤い固体の金魚のことをキンギョまたは、コガネウオと呼び、白い固体はギンギョまたは、シロガネウオと呼んでいた時期がありましたが、いつしかキンギョという呼び名が残ったようです。
金魚は、他の魚を攻撃したり、金魚同士で争ったりしない平和な性質の差かなです。食性は、特に何かを好んで食べるということはなく、イトミミズやアカムシ、水中に生息する小さな生き物や植物プランクトンなどなんでも食べる雑食性です。諸見の魚として、観賞用に改良されてきたため、流れのはやい水の中を遡って泳ぐといったことができません。
ですから、飼育する場合には、水の流れを早くするようなことは避けなければいけません。他の魚と同様に金魚も変温動物ですので、水温によっては、体温も変化します。金魚が生息できる水温は1℃~38℃です。しかし、急激な5℃以上の水温の変化には対応できず、急激に弱ったりショック死してしまいます。金魚は、祖先であるフナと似ている点を持ちながらもフナと同じ環境では生息することができません。
金魚にとって快適な水温は、15℃~28℃くらいです。一般的に金魚は5℃で冬眠状態、15℃以上で元気に動き、エサを食べる、20℃~28℃で動きが活発で食欲旺盛、28℃以上で動きが鈍く、食欲も低下すると言われています。急激な温度変化が起きる梅雨の時期や水の入れ替えの際は、注意が必要です。
金魚を飼う前に水を飼えと言われるくらい、金魚は水が命なのです。
金魚の年齢は、昔からの習慣をそのまま引きずっており、数え年で計算します。当歳は1歳の意味で、その年に生まれた金魚を指します。以降、正月毎に1歳ずつ年を加算していきます。
金魚の寿命は正確には、分かっていません。良く言われているところでは、10年から15年といったところです。また、丸型、樽型の固体よりは、鮒型の固体の方が長生きしやすいようです。
金魚の歳の取り方ですが、哺乳類と比べるとかなりかけ離れています。体の成長については、哺乳類などは、一定年齢まで成長すれば、それ以上大きくなることはないですが、金魚の場合は、速度こそ遅いものの、歳を重ねただけ大きく成長してゆきます。年齢的に最も活発な時期は三歳から五歳くらいで、それ以降は、尾鰭などの張りが弱くなり、垂れ下がりはじめたり、色素が抜けて白っぽくなったりします。
多くの金魚は老衰を迎える前に、病気で死んでいきます。これは、持ってうまれた金魚の特性によるものです。10年を超えて生きる金魚は、生まれ持った身体の強さと共に、与えられた飼育環境に自ら適応し、水槽内でストレスを感じずに生きてきたものが多いようです。水質・水温の管理、エサのあげ方、水槽の大きさなその金魚の固体にマッチした形で初めて老衰を迎えるほど長生きできる金魚がそだつのです。