金魚は和金、出目金、流金など昔からさまざまな種類のものがあり、わたしたちの目を楽しませてくれる存在ですが、なかでもらんちゅうは生きる宝石や金魚の王様と呼ばれ、数々の品評会で賞をとるほどの人気があります。

 

その愛嬌のある独特の容姿は、見た目が愛らしく泳ぎ方が優雅な事でも知られていますが、飼育が難しいことでも有名です。らんちゅうは頭の肉溜が最大の特徴で、肉溜を大きく育てることが難しいといわれる理由なのですが、自宅で観賞用として飼うのであれば、それほど飼育は難しくありません。ペットショップなどで普通に販売されているガラス水槽などでも、十分飼育が可能です。

 

ガラス水槽の場合、水をきれいにする濾過装置や活性炭などをセットすれば、初心者でも気軽にはじめられます。普通の金魚の飼い方と同じように、水槽に砂利を敷いたり、水草を植えたりする方法もおすすめです。ただしガラス水槽の場合、魚を横から鑑賞する形となりますので、らんちゅうの美しい尾や柄模様を上から鑑賞する本来の楽しみ方ができないことがデメリットになります。

 

手軽で飼いやすいガラス水槽ですが、こだわって鑑賞したい方には、練り船やプラ船と言われるものがおすすめです。

 

 

 

通常金魚を飼育する時は、水道水をそのまま使用しません。水道水には塩素が含まれており、水道水を使うと金魚のえらを損傷してしまう可能性があるからです。らんちゅうも同様で、塩素を抜くカルキ抜きをする必要があります。

 

カルキを抜くには、太陽光に半日程度さらしておくか、市販されている中和剤を使って塩素を抜きます。中和剤を使用する時は、水道水の量に応じた適切な量を調整することが大切です。また、水槽にエアーポンプを入れておく必要があります。

 

水分中の酸素が不足しないように、きちんとセッティングすることも大切です。らんちゅうの飼育では、水替えがひとつのポイントになります。水槽は、らんちゅうのエサの食べ残しや糞尿などが発生する場所です。春から夏にかけては数日でアンモニアの濃度が高くなり、水槽が汚れて飼育環境が悪くなります。暑い時期には数日おきに水替えする必要がありますが、水替えはらんちゅうにとって負担にもなります。

 

水替えする時は、古い水を少して新しい水に替える方法がおススメです。らんちゅうの様子をよく観察し、水が汚れて泳ぎ方が鈍くなったタイミングで水替えするのが適切ですが、それには普段からしっかり様子を見ておくことが大切です。

 

 

 

魚の飼育には、エサのやり方も大切です。魚のほしがるままにエサをあげると死んでしまうこともありますし、逆に少なすぎるにも栄養状態が悪くなる原因になります。ものも言わず、表情もない魚の飼育には、気温の変化や水の状態、魚の様子などを注意深く観察し、病気にならないように気をつけてあげることが大切です。らんちゅうのエサは、専用の固形のエサと赤虫がメインになります。

 

気温は暖かいときは、固形のエサと赤虫を半分ずつ程度与えるようにします。新しい水に替えたあとは水温が低くなり、らんちゅうの動きが鈍くなりがちです。このようなタイミングの時は、少しの間エサを控えるようにしましょう。えさをほしがる場合は固形のエサではなく、赤虫を少しだけ与えます。水替え以外に気温が低い場合にも、エサは少なめにするほうが無難です。こちらのケースもエサは赤虫を与えるようにして、量は少なめにします。

 

らんちゅうのエサは、固形のエサと赤虫以外に、ミジンコも適しています。しかし、ミジンコは手に入れるのが難しいために、赤虫が一般的なエサとして使用されています。入手しやすい冷凍赤虫は、傷みやすいので、食べ残しがないように少しずつ与えるようにしましょう。